検証

Proxmox 9.0でNested有効化|Windows 11 VMでVMware Workstationを動かす方法

gumio

動作環境

今回は、Proxmox上のWindows 11 VM内部でVMware Workstation Proを動かすネスト仮想化構成を作ります。以下の環境で動作を確認をしています。

ホストでネスト仮想化が有効になっていることを確認

Proxmoxホストにログイン後、以下のコマンドを実行してステータスを確認します。

root@pve:~# egrep -o 'svm|vmx' /proc/cpuinfo | sort -u
svm ←svmかvmxが出力されればOK
root@pve:~# cat /sys/module/kvm_amd/parameters/nested
1 ←1が出力されていればOK
root@pve:~#

Windows 11 評価版とVirtIOドライバのダウンロード

以下公式リンクよりダウンロード可能です。

ライセンスキーを持っている方は以下リンクよりマルチエディションをダウンロードしてご利用ください。

VMware Workstation Proのダウンロード

Broadcomの公式サイト(https://jp.broadcom.com/)へアクセスします。
アカウント登録前の場合は、右上の「Register」より登録を完了させましょう。

アカウント作成が完了したら、先ほどの「Register」の隣にある「Go To Portal」をクリックします。

ダッシュボードへ遷移した後、「My Downloads」→「HERE」をクリックします。

「VMware Workstation Pro」をクリックします。

遷移先のページでは複数のダウンロード候補が表示されますが、本記事では投稿時点で最新の「VMware Workstation Pro (for Windows) 25H2」 を選択し、利用規約に同意してダウンロードを進めます。ダウンロード時に住所などの追加情報の入力を求められる場合がありますが、案内に沿って進めれば問題ありません。

Window 11 VM デプロイ・初期セットアップ

準備したISOファイルを使用して、Windows 11の仮想マシンを作成していきます。

まずはProxmoxのストレージにISOファイルをアップロードします。

以下はWindows 11のISOファイルの例ですが、VirtIOドライバも同様にアップロードします。「TASK OK」と表示されれば成功です。

ストレージに各ファイルが配置されていることを確認後、右上の「VMを作成」をクリックします。

各タブの設定項目入力していきます。

設定内容を確認し、完了をクリックします。

仮想マシンの設定ファイルをnanoやvimなどのエディタで開き、先頭に以下の文字列を追記します。物理マシンがIntel CPUを搭載している場合はsvmをvmxに読み替えてください。

args: -cpu host,+svm

設定ファイルは次のパスに保存されています。

/etc/pve/qemu-server/<VM ID>.conf

設定後の出力例です。

root@pve:~# cat /etc/pve/qemu-server/102.conf
args: -cpu host,+svm ←これを追記
bios: ovmf
boot: order=scsi0;ide2;ide0;net0
cores: 6
cpu: host
efidisk0: local-lvm:vm-102-disk-0,efitype=4m,pre-enrolled-keys=1,size=4M
ide0: local:iso/virtio-win-0.1.285.iso,media=cdrom,size=771138K
ide2: local:iso/26200.6584.250915-1905.25h2_ge_release_svc_refresh_CLIENTENTERPRISEEVAL_OEMRET_x64FRE_ja-jp.iso,media=cdrom,size=7115832K
machine: pc-q35-10.0
memory: 32768
meta: creation-qemu=10.0.2,ctime=1762850994
name: Win11-Eval
net0: virtio=BC:24:11:3B:BF:90,bridge=vmbr0,firewall=1
numa: 0
ostype: win11
scsi0: local-lvm:vm-102-disk-1,cache=writeback,discard=on,iothread=1,size=200G
scsihw: virtio-scsi-single
smbios1: uuid=d50b1a1d-9451-415f-bcf7-9eae319f4496
sockets: 1
tpmstate0: local-lvm:vm-102-disk-2,size=4M,version=v2.0
vmgenid: 223422a8-fdb2-42b3-8cdc-a700fe5d7c1b
root@pve:~#

仮想マシンを起動します。

しばらくするとセットアップウィザードが立ち上がるので、流れに沿って進めていきます。

ディスクを認識させるためのドライバをインストールします。

ディスクを選択してインストールを進めます。

しばらく待つとインストールが完了し、以下のような画面が表示されるので、引き続きセットアップを進めていきます。

NICのドライバは後でインストールします。

セットアップが完了したらログインし、まずは不足しているドライバをインストールしていきます。最初にデバイスマネージャーを開きます。

NIC が認識されるようになるため、Windows に IP アドレスを割り当てます。
ここから先は、仮想マシンのコンソールではなく RDP(リモートデスクトップ)で接続して操作していきます。

IP アドレスの設定は各環境に合わせて変えてください。特にこだわりがなければ、スタティックに設定する必要はなく、DHCP で取得したアドレスをそのまま使って問題ありません。

残りのドライバはVirtIOがマウントされているDドライブを開き、以下二つのパッケージをインストールすれば完了です。

VMware Workstationインストール

あらかじめダウンロードしておいた Workstation のインストーラを起動し、ウィザードに従ってインストールを進めます。
インストーラのファイルは、RDPで接続している場合、クライアントPCとの間でコピー&ペーストが可能なため、仮想マシンへ移動させるのも簡単です。この方法が手軽でおすすめです。

簡易動作確認・まとめ

インストールしたWorkstation上にPNETLab(Ubuntu VM)をデプロイし、問題なくノードが起動することを確認できました。
このことから、Proxmox → Windows 11 → VMware Workstation → PNETLabというネスト構成でも仮想化が正しく機能していることが分かります。
なお、PNETLabのインストール手順や使い方については、別の記事で解説する予定のため、本記事では割愛します。

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空花(そらはな)ぐみを
空花(そらはな)ぐみを
ネットワークエンジニア / 愛猫家
高卒工場勤務を経て31歳でIT業界へ転職し、現在はSIer企業でネットワークエンジニアのプレイングマネージャーとして設計・構築を担当しています。未経験からキャリアを切り開いた経験を活かし、
・ネットワークエンジニア初級〜中級者がつまずきやすいポイントの解説
・ラボ環境を活用した検証手順
・業務で生かせる実践的なノウハウ
など、インフラエンジニアを目指す方や、現職でスキルを磨きたい方に役立つ情報を発信していきます。
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